【村上建設工業株式会社】代表取締役社長 村上欽哉さん

75年以上の歴史を持つ村上建設工業株式会社は、名古屋市をはじめとする地域のインフラ整備を支える建設会社として、施工管理に特化し、公共工事の分野で高い評価と信頼を獲得しています。本記事では、3代目社長の村上欽哉氏に、会社の歴史や理念、『ハタラク』ことの意義などについてお話を伺いました。
村上建設工業株式会社 / 代表取締役社長 村上欽哉
1970年愛知県名古屋市生まれ。京都大学工学部土木学科卒業後、海洋土木の大手ゼネコンで4年間設計・積算を経験。1998年、父が代表を務める会社に取締役として入社し、積算や営業など幅広い業務を担当。その後、2012年に代表取締役に就任。新卒採用や人材育成に力を注ぎ、ベテランの技術力と若いパワーを融合させながら、名古屋市のインフラを支える「インフラ守護神」として地元名古屋を守り続けている。
会社の創業から現在までの歴史について教えてください。
当社は1947年に祖父の銀次郎が村上工務店として創業し、1966年に法人化しました。私は2014年に3代目として事業を引き継ぎ経営を行っています。創業から75年以上が経ちますが、地域のインフラ整備を通じて社会に貢献するという姿勢は変わりません。もともとは工務店でしたが、時代のニーズに応じて施工管理に特化した建設会社へと進化してきました。
現在(2025年2月)、40名の社員が在籍しており、全員を正社員として、安定した雇用環境を提供することを大切にしています。

事業内容や会社の強みを教えてください。
当社の主な事業は土木工事で、名古屋市をはじめとする地方自治体からの依頼を受け、特に公共インフラの整備を専門としています。道路整備や上下水道設備、電線の地中化、擁壁の築造、河川護岸の復旧工事など、多岐にわたる工事を手掛けています。作業員としてではなく現場監督(施工管理)に特化しているのが特徴ですね。各現場では日々新しい課題に直面し、その都度適切な判断と対応が求められます。そのため、技術的な知識だけでなく、経験に基づくノウハウの蓄積と活用が重要となっています。また、土木工事の本質的な意義として、「シビルエンジニアリング」という言葉が示すように、文明社会の基盤を支える重要な役割を担っているという認識を持って事業を展開しています。
また、当社の強みは、75年以上の歴史の中で培ったお客様との信頼関係と、施工管理における高い評価が強みです。工事完了時の成績評価では平均80点以上を維持し、85点以上を毎年獲得するなど高い評価をいただいています。この評価は業界内でも3〜5%程度の企業しか達成できない水準で、ただ表彰されるだけではなく、同額入札の際に優先的に受注できるという優位性があり、そのことからも信頼と評価をいただいていると実感しています。
会社の理念や社内の雰囲気についてお聞かせください。
当社の理念は、『名古屋市民の命を守る』『社員の物心両面の幸せを追求する』の二つを掲げています。特に現場監督という専門性の高い人材が会社の主要な資産であるという認識のもと、社員一人一人の成長と幸せを重視しています。この理念は、単なる経営方針としてだけでなく、具体的な取り組みとして実践されています。例えば、社員との定期的な面談を通じて、個々の課題や希望を把握し、それに 応じたサポートを提供しています。また、コーチング研修などを通じて、自己承認と相互承認の文化を醸成し、社員同士が認め合い、高め合える環境づくりに注力しています。この理念に基づく経営により、社員の定着率も高く、持続可能な企業成長を実現しています。
社内の雰囲気は、年齢や国籍に関係なく、人間関係がフラットで明るい職場です。19歳から70代まで幅広い世代が活躍し、近年は女性や外国人材の登用にも積極的に取り組んでいます。現在、3名の女性社員が現場監督を目指しており、また、ベトナムやミャンマーからの優秀な人材を採用し、現場監督として育成するという先進的な取り組みも行っています。

採用の際に重視しているポイントや働き方への工夫を教えてください。
採用の際には、『市民の命を守る』という当社の理念に共感できるかどうかを最も重視しています。仕事を通じて得られる幸せの中で、最も大切なのは感謝の気持ちであると伝えていて、この価値観を理解し、一緒に働きたいと思える人を採用したいですね。
働き方については、ここ数年で残業や休日出勤が大幅に減少し、土日はしっかり休める環境を整えました。また、コーチング研修や社長面談を実施し、社員が働きやすい環境をつくることに力を入れています。

趣味や休日の過ごし方について教えてください。
プロレス観戦と筋トレが趣味です。中学生の頃からアントニオ猪木率いる新日本プロレスのファンで、40年以上応援し続けています。プロレスは、単なる勝利至上主義ではなく、相手を輝かせることが重要で、これは経営にも通じる考え方だと感じています。また、筋トレは年齢ともに体力が低下していく中でも、数値として成長を実感できる点が魅力ですね。休日は家族との時間を大切にしており、特に中学生の娘や小学生の息子とカラオケに行くのが楽しみで、子どもたちとの貴重な外出の機会として、大切にしている時間です。


最後に、御社にとって『ハタラク』とはなんでしょうか?
当社にとって『ハタラク』とは、三つの要素で成り立っています。第一に、 適切な金銭的報酬を得ること。これは生活の基盤として必要不可欠ですが、それだけでは十分ではないと考えています。第二に、仕事を通じた成長の機会。特に現場での日々の決断を通じて、技術面だけでなく人間としての成長も実現できます。第三に、最も重要な要素として、「ありがとう」と言われ、また「ありがとう」と言える関係性の構築です。これは単なる感謝の言葉以上の、深い人間関係と社会貢献を意味します。特に、市民の命を守るという使命を持つ土木工事において、この要素は極めて重要です。この価値観を新しく入ってくる社員にも伝え、仕事に対する不安を希望に変えられるように努めています。
75年以上の歴史を持つ村上建設工業株式会社は、地域のインフラ整備を通じて社会に貢献する建設会社です。施工管理に特化し、高い技術力と信頼を強みに成長を続けています。「名古屋市民の命を守る」「社員の物心両面の幸せを追求する」という理念のもと、働きやすい環境づくりや人材育成にも力を入れており、多様な人材が活躍する職場を実現しています。働くことの本質を「成長と感謝」と捉え、社員とともに歩み続ける村上建設工業。今後も地域社会の発展に貢献しながら、新たな挑戦を続けていきます。
【村上建設工業株式会社】
〒467-0825
愛知県名古屋市瑞穂区柳ヶ枝町2-60
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