【LOVE】代表 内田雄介さん
「服が好き」という気持ちを原点に夢を形にした人がいます。名古屋・栄でセレクトショップ「LOVE」を営む代表・内田雄介さん。10年間アパレル大手で経験を積んだのち、2011 年に独立。 今では「LOVEっぽい」と言われるほど唯一無二の存在感を放っています。今回のインタビューでは、内田さんがこの仕事を選んだ理由ややりがい、そして『ハタラク』ことの意味を伺いました。
LOVE / 代表 内田雄介さん
1978年愛知県岡崎市生まれ。名古屋ファッション専門学校卒業後、BEAMS名古屋に入社し約10年勤務。店長も経験した後、33歳で独立し岡崎市に店舗を開業。2022年に名古屋市栄へ移転し、国内外20ブランドを展開。現在は衣料品・雑貨小売業に加え、ギャラリースペース運営などファッションカルチャーを広く発信する店舗づくりに取り組んでいる。
職業
衣料品・雑貨小売業(セレクトショップ経営者)
仕事内容
名古屋・栄でセレクトショップ「LOVE」を経営。国内外ブランドから自ら買い付けを行い、都市生活者向けの「ユニフォーム」となる衣料品や雑貨をセレクトして販売。接客では一人ひとりとじっくり向き合い、お客様と長期的に関係を築きながら、商品提案・接客・仕入れ・オンラインショップ運営まで幅広く担当し、ファッションを通じて自分の“好き”を形にしながら、お客様に新しい発見を届けています。
貴店の概要と、独立起業された経緯を教えてください
2011年3月1日設立で、以後15年にわたり営業しています。栄の実店舗とオンラインで、パートナーの犬塚と2人で経営しています。独立の経緯は、BEAMSで10年間販売員・店長を経験したのちに退社してスタートしました。買い付けは経験していなかったのですが、地方だと販売員としての経験のみで独立する人が多いです。開業時は10ブランドから始めて、お店を始める前から繋がっているブランドは2ブランド。8ブランドはコネクションがなく、今度開業するので見せてください、とメールを送りお取り引きがスタートしました。お店の表現の枠組みになるような、自分の好きなものを中心に集めました。

お店の特徴を教えてください
前提としてパーソナルに好きなものだけというのを核にして、「都市生活者に向けるユニフォーム」「アクティブに生活する人の下地になる服」を提供しています。
サブカルチャーなものが好きなので、少しマニアックな、捻ったアイテムを揃えています。例えばライブでもクラブでもご飯を食べに行ったりする時にでも、着て出かけたいなって選んでもらえるような服、というのは意識しています。そうすると他との違いが自然に出てくるかなって。「LOVEっぽい」という声はよく聞きますね。
セレクトショップを始めようと思ったきっかけは何でしたか?
子供の頃からファッションが好きで、ファッションと言っても色々あると思いますが、自分の中ではファッション=服屋というイメージがあり、自然に服屋となりました。NSC専門学校を出て名古屋のBEAMSに入って。BEAMSに入った理由は、ど真ん中・王道を経験したいという考えからでした。マニアックになるにしても、まずは王道を知らないと。子供の頃の自分が今の自分を見たら、やりたかったことが実現していると思います。

仕事の魅力ややりがいは何ですか?
一番大きいのは人との繋がりですね。お客様一人ひとりとじっくり付き合うことを大切にしています。どのブランドの服も、そのシーズンの消化率にかかわらず、継続してちゃんと密に付き合っていくスタンスでお取り引きをしています。
好きなことを仕事にしている分、自分を飽きさせないようにする努力として、レディースの取り扱いを始めてみたり、音楽や雑貨部門を増やしたり。今後はちょっとしたギャラリースペースを設けようとも思っています。
お仕事の内容を詳しく教えてください
服屋の仕事は、何万とあるブランドの中から服をチョイスして買い付けて、お客様に紹介して気に入ってもらって、服が売れたらまた新しい服を入荷して、という繰り返しです。買い付けについてですが、いくつかセレクトする方法があって、一般的には大きな展示会やコレクションのあるファッションウィークで買い付けをします。LOVEでは8割が国内、2割が海外のブランドを扱い、海外はデータのやりとりを行い、国内では半年前に展示会の案内があり、東京などへ直接赴いて実際に手にとって決めます。

このお仕事につくためにはどうしたら良いですか?
販売業については募集している店に応募して申し込むことで可能です。資格は特にないです。ブランドやお店の雰囲気に合うか、フィーリングの部分が大きいです。接客なので人あたり、柔軟性も重要ですね。
経営については、こちらも資格はなく、個人事業主の登録のみです。経営の重要なポイントは、服屋は長く運営するためにはサイクルを考えなければならないことです。ファッションはワンパターンだと飽きが来るし、トレンドも理解しなくてはなりません。やりたいと思えば誰でも始められますが、続けていく中で悩むことは多いです。
このお仕事の厳しさや大変なことはどんなことですか?
買い付けの話でもでましたが、半年前に買い付けをするので先が予想できないことです。
思ったより暑い、寒い、と気温や天候は半年前にはわからないことですよね。世の中の風潮の移り変わりも影響があります。利益を確保するためには「10枚仕入れたら最低○枚は売れないといけない」といった計画を立てますが、その通りにいかないこともあります。そうしたズレが生じるのは避けられませんが、経験で補うことはできます。それでも外れることはありますね。
趣味や休日の過ごし方を教えてください
趣味は、広くファッションです。その中でも特にリソースを割いているのは音楽ですね。聴くのも好きですが、DJもします。DJをやるのはセレクトショップの感覚と一緒です。自分の表現のツールとして、音楽を膨大に入れてそこから選び自己表現をする。選ぶことが好きですね。
休日は平日で、子どもを中心にして家族で過ごしています。行きたいところを近場でいくつか提案して、そこから決めます。余裕が出てきたらキャンプとかも行ってみたいですね。

最後に、あなたにとって『ハタラク』とは何でしょうか?
お金を稼ぐことと自己表現の両立です。達成したいビジョンは、より良い環境で、より良い商品を販売することを達成し続けたいです。改善していくことが好きなので、都度都度お店が良くなっていけばと思います。セレクトショップというのは、僕にとっての自己表現の場であり、究極「その人」でしかないです。自分達が選んだものがお客さんに刺さって欲しいという思いです。
セレクトショップ「LOVE」の内田雄介さんは、好きなことを仕事にしつつ、人やブランドとの長期的な関係を大切にしてきました。そこには「ただ流行を追う」だけではなく、「人と向き合い続ける」という覚悟があります。
『ハタラク』とは、お金と自己表現の両立。その言葉には、働き方を考えるヒントが込められています。自分の”好き”を軸に、人とつながり、挑戦を続ける。そんな働き方に心を動かされたなら、あなたの次の一歩は、ここから始まるのかもしれません。
【LOVE】
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄5丁目16-16 メディアラボ栄 2F
TEL. 052-291-4110
URL. https://l-o-v-e.jp
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