【株式会社Happy work’s】 代表取締役 馬場秀樹さん

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教えてお仕事

結婚式、企業の歴史、人生の節目。
「もう一度」は存在しない、その瞬間を映像に残す仕事があります。カメラの前に立つのは、俳優やモデルではなく、ごく普通の人たち。緊張し、不安を抱えながらも、その人らしい表情がふっと現れるその一瞬。今回は、映像・写真撮影を通して “人の人生に寄り添う仕事”を続けてきた株式会社Happy work’s 代表取締役 馬場秀樹さんに、この仕事を選んだ理由、やりがい、そして『ハタラク』ことの意味を伺いました。


株式会社Happy work’s / 代表取締役 馬場秀樹さん
1984年静岡県浜松市生まれ。名古屋学院大学卒業。在学中から世界を巡り多様な価値観に触れる。2007年にベンチャー企業へ参画後、2008年に独立。SNSの広がりとともに活動の幅を広げ、2014年に法人化。コロナ禍での危機を乗り越え、現在は映像・写真カメラマンとして、映像表現を通じ人の人生に寄り添う制作を続けている。

職業

映像・写真カメラマン / 映像クリエイター

仕事内容

結婚式や企業のプロモーション、インタビュー映像などを中心に、人や会社の「大切な瞬間」や「その人らしさ」を映像・写真として形に残す仕事です。「どんな想いを伝えたいのか」を丁寧にヒアリングすることから始まり、その内容をもとに、撮影場所や構図、光の入り方などを考え、一発勝負の現場でも後悔のない映像が残せるよう入念に準備を行います。カメラに慣れていない一般の人を撮影することを得意とし、自然な表情や何気ない仕草といった “一瞬” を逃さず切り取ります。
撮影後には、撮ってきた素材をより「見た人の心が動くか」「想いがきちんと伝わるか」を意識しながら編集を行います。ただ「きれいに撮る」のではなく、人生や会社のストーリーを未来に残す仕事であり、「ありがとう」 と感謝されることが大きなやりがいにつながる仕事です。

創業の経緯を教えてください

私が映像の世界に入ったのは、一直線のキャリアではありませんでした。大学卒業後、「まずは世界を見たい」とカメラを片手に旅に出ました。その後、映像会社の立ち上げに参加する形で就職。日本で撮影した映像を海外で編集するという当時としては先進的な挑戦でしたが、インフラの壁に阻まれ、会社は経営難に陥ってしまいました。会社から「雇いきれない」と告げられ、職を失うことになります。それでも、映像への想いは消えず、諦めきれませんでした。
その気持ちで、2008年に個人事業主として創業し、2014年に大きな企業との取引をきっかけに法人化し、株式会社Happy work’sが誕生しました。現在は2名体制で、春日井市を拠点に様々な企業や会場に伺って撮影を行なっています。

お仕事の内容について教えてください

現在の主な仕事は、映像・写真の撮影と編集です。なかでも特徴的なのが、「人」を撮ることへの圧倒的な経験値ですね。17年以上にわたり結婚式の撮影を中心に、これまで2,000 件以上の「人を撮影する」現場に立ってきました。プロの演者より、一般の人のほうが難しいのはもちろんですが、緊張し、カメラに慣れていない人たちだからこそ、何気ない仕草や一瞬の表情に、その人らしさが宿ります。カメラを回していると、その人自身も気づいていない“良さ”が見えてくるんです。その一瞬を見逃さず、形にするのがHappy work’sの強みですね。

このお仕事に就いたきっかけを教えてください

子供の頃から、絵を描くことや物作りが好きで、特に山下清の“裸の大将”の生き方に憧れを抱いていました。日本各地を旅しながら、作品を残していくという生き方に魅力を感じていました。その後、音楽やカメラと出会い、この好きなものが組み合わさったのが「映像」だと気づき、天職だと感じて映像制作の道を選びました。
きっかけとして、映像会社に就職する前に、デザインの仕事に興味があったこともあり、IllustratorやPhotoshopで独自でデザインを始めた際に、結婚式の生い立ちビデオやスライドショーの制作依頼を3〜4回連続で受けたことがあり、自分の作った作品でお客様から感謝されることの喜びを実感し、紙媒体のデザインとは異なる自分に合った分野だと確信しました。

この仕事の魅力ややりがいは何ですか?

私がHappy work’sという屋号に込めた想いは、“仕事を通して幸せになりたい”ということです。結婚式という人生最良の日に立ち会い、映像を届け、「ありがとう」と言ってもらえる。映像をつくって、感謝されて、それでお金をいただける。これほど幸せな仕事はないと思いました。
特に印象に残っているのが、企業の歴史を映像で残すプロジェクトで、社員さんが語る形で歴史を残そうという企画だったのですが、その当時元気だった社員の方が後に亡くなられたあと、映像を見た方から「映像で残しておいて本当によかった」と言っていただき、この仕事の意義を実感しましたね。

反対に大変なことは何ですか?

この仕事に「撮り直し」は基本的にありません。いくら編集ができるとはいえ、結婚式、式典、インタビュー、すべて「もう1回」なんて言えない一発勝負の世界です。仕事の8割は準備という意識で、立ち位置、光、動線など全部を想定した上で撮影に臨みます。その緊張感は、オリンピック選手の本番に近いかもしれませんね。だからこそ、成功した瞬間の達成感は格別です。

この仕事に就くためにはどうしたら良いですか?

この仕事に特別な資格は必要ありません。極端に言えば、「映像をやっています」と名乗ればすぐにでもスタートできます。ただし、たくさんの場所に行き、映像や美術に触れるなど多くの体験をし、何よりも1枚でも多くシャッターを切ることで養われる感性が最も大切です。技術は学べますが、感性は生き方そのものです。
スマホ1台でも映像が撮れる時代だからこそ、何をどう切り取るかが問われる仕事です。

子供の頃の夢を教えてください

幼稚園の頃は、バラエティー番組の影響で“仮面ノリダー”になりたかったですね。その後、小中学校ではサッカーをやっていたのでサッカー選手に憧れていました。高校時代から音楽や洋服などのカルチャーなどに触れ、デザインの仕事を志したこともありましたが、カメラマンになるとは思っていませんでしたね。

趣味と休日の過ごし方について教えてください

知らない土地に行ったり、体験したことがないことをするのが好きです。人生が終わるまでに一つでも多くのことを体験したいと考えています。最近では、家族全員で初日の出を見に行ったり、宝塚の先生からレッスンを受け、余興で歌をうたうという体験もしました。過去には、スペインでサグラダファミリアに登ったり、ガウディやピカソの作品に触れたりもしました。
休日は家族との時間を大切にしています。2人の子供がサッカーをしており、私自身もサッカー経験者として、子供と時間を共有できることが嬉しいですね。子供をサッカーに連れて行ったり、一緒にサッカーをしたりして過ごしていることが多いですね。

最後に、あなたにとって『ハタラク』とは何でしょうか?

私にとっての『ハタラク』とは、「感謝をもらうこと」そして、「自由でいるための手法」です。働くことで誰かに喜ばれ、自分の人生の選択を自分で決められる。仕事は、お金を稼ぐだけのものでなく、人生を豊かにするプロセスだと思っています。
これから叶えたい未来としては、人生で、監督として一本の映画を撮ることですね。ドキュメンタリーか、小説の映像化か。形はまだ決まっていませんが、これまで人の人生を撮り続けてきたからこそ、最後は“自分の表現”として映画を残したいです。その夢に向かって、今日もまた一瞬を切り取っています。


映像の仕事は、派手でも、楽でもありません。けれど、誰かの人生にそっと寄り添い、「残してくれてありがとう」と言われる仕事です。人が好きで、物語が好きで、一瞬の価値を信じられる人にとって、これほど誇れる仕事はないかもしれません。Happy work’sのカメラの向こう側には、いつも“人の人生”があります。


【株式会社Happy work’s】

〒486-0948
愛知県春日井市天神町1-2
URL. https://sunao-film.jp
Instagram. https://www.instagram.com/hw_films/