【有限会社たけ屋みずほ】専務取締役 佐藤伸枝さん

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インタビュー

着物という日本の伝統文化を現代の日常に繋ぐ専門店、有限会社たけ屋みずほ。名古屋市瑞穂区に店を構える老舗呉服店は、95年にわたる歴史と共に、多くの人々の人生に寄り添い続けてきました。今回は、専務取締役の佐藤伸枝さんに、着物に対する真摯な姿勢、スタッフとの関係性、そして『ハタラク』という言葉に込める想いについて語っていただきました。


有限会社たけ屋みずほ / 専務取締役 佐藤伸枝さん
1972年愛知県名古屋市生まれ。愛知学泉大学卒業後、アパレル商社の和装事業部に勤務。結婚を機に退職し、夫の実家である現在の呉服販売業に入社。出産・育児を経ながら販売だけでなく、レンタル・着付けなど現場業務に従事。2015年に専務取締役に就任。地域に根ざし、着物の悩みを解決できる店づくりを目指し、着付けやヘアメイクなど幅広いサービスを提供している。

会社の歴史と成り立ちについて教えてください

当社の創業は、1930年に創業者である現社長の祖父が千種区仲田で「多けや」という呉服店を開いたのが始まりでした。その後、支店として「たけ屋みずほ」を現在の瑞穂区に開店し、1964年には法人化し、有限会社たけ屋みずほとして設立しました。現在(2025年4月)は社長である夫と専務の私、そして3名のパートスタッフという少数精鋭の体制で運営をしています。
この仕事に就く前はアパレル業界を志望していたのですが、大学時代にワーキングホリデーで訪れたニュージーランドで、自分がいかに日本のことを知らなかったかを実感しました。帰国後、「日本の文化をもっと知りたい」と思い、着物の世界に飛び込みました。最初は「3年くらい勉強したら違う業種に転職しよう」と思っていたのですが、当時の社長(現・夫)と出逢い結婚し、家業であるたけ屋みずほを継ぐことになりました。

事業内容について教えてください

現在当社では、着物の販売だけでなく、着付け、ヘアメイク、レンタル、撮影、着付け教室、パーソナルカラー診断、茶道教室までワンストップで対応しています。お客様から「着物の事ならここに来ると何とかなる」と思ってもらえることが嬉しいですね。

会社の強みや長所は何ですか?

お客様にとって着物は大事なものなので、なるべく生かしたいという思いから、寸法直しやしみ抜きといった細やかなことにも対応しており、その技術や対応にも定評があります。
例えば、小柄なおばあ様の着物を、背の高いお孫さんが着られるように仕立て直したりなど、他店で「これはもう無理」と断られた着物でも、「何とかならないか」と持ち込まれるケースも多いですね。当社にはいい職人さんが揃っているから、多くのお客様が信頼を寄せてくれているのかなと思っています。
そんな思いで続けている結果、お客様の中には、私の子どもが赤ちゃんの頃から知っていただいている方も多く「すっかり立派な大人になって」と、まるで親戚のように見守ってくださる方もいます。お客様に教えられることもたくさんあり、お客様と一緒に成長している感覚がありますね。
加えて、パーソナルカラー診断を行える事も特徴です。お客様から「自分に似合う色が分からない」と相談されたことがきっかけで、日本パーソナルカラー協会の認定講師の資格を取得し、お客様に似合う色味をご提案しています。

会社運営において大事にしていることは何ですか?

「たけ屋に関わる全ての人が輝きいきいきと自分らしく生きる社会を創造します。」という理念のもと、当社に関わっていただける方や、お客様の笑顔のために、困りごとを解決し、気分良く、気持ち良くなっていただけることを大切にしています。
一時期は着物離れの時代もあって、呉服業界もこのままでは…と思ったこともありましたが、それでも着物は日本の文化なので、絶対になくなることはないと信じて、着物に関する知識や技術を学び続けてきました。

会社の雰囲気やスタッフを採用するときのこだわりを教えてください

現在働いているパートスタッフは全員女性で、皆さん明るく着物好きな方ばかりです。社長である夫と2人だけだと、どうしても家庭の延長になってしまうところを、パートさんがいるおかげで、良い緊張感や明るい雰囲気が保たれています。
採用で大事にしているのは、明るくて着物と人が好きな方、気が利く方だと嬉しいですね。あとは「人柄とインスピレーション」を大事にしています。実際に現在働いているスタッフさんを雇用する際にも、まるで「たけ屋に呼ばれた」かのようなエピソードばかりで、来るべき人が来てくれているのかなと感じています。
スタッフ同士の距離感も近く、休憩中のコーヒータイムでも日々いろいろな話が飛び交い、まるで家族のような関係性が築かれています。

趣味や休日の過ごし方を教えてください

絵を描くことが好きで、10月にはグループ展も控えています。絵を描いているとつい徹夜してしまうくらい没頭してしまいますね。そのほかにもスキーやゴルフなどの趣味もありますが、特にお茶は、ライフワークとして人生をかけて行っていることです。
休日は、お稽古に行ったり、友達のお店を手伝ったり、ホームパーティーをしたりと、アクティブに活動していますね。

最後に、あなたにとって『ハタラク』とは何でしょうか?

私にとっての『ハタラク』とは、人生を豊かにしてくれるものだと思います。
天職だと思える仕事って良いなと思っていて、自分の人生をかけて突き詰められる何か、それに出会えるのはとても幸せなことだと思っています。
また、働くことは自分のためであり、他人のためでもありますが、 自分が心豊かでなければ、人を豊かにすることはできないと思います。だからまず、自分が満たされていることが大事だと思いますね。


95年の歴史を誇りながらも、常に現代に寄り添い、進化し続ける有限会社たけ屋みずほ。佐藤さんの語る言葉には、伝統を守る強さと、時代に応じて変化する柔軟さ、そして『ハタラク』ことを通じて人生を豊かにしていくという、深い哲学が込められていました。着物が繋ぐのは、人と人、時代と文化。その結び目に、佐藤さんの想いがしっかりと結ばれていると感じました。


【有限会社たけ屋みずほ】

<呉服と染 たけ屋みずほ>
〒467-0806
愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通4-45
TEL. 052-851-5747
URL. https://www.takeyamizuho.com

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振袖アカウント. https://www.instagram.com/takeya.nobue
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女将伸枝の着物日記アカウント. https://www.instagram.com/takeya.nobue.kimono